雇用調整助成金について(2020/05/12時点)

景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主の方が、一的に休業や教育訓練、又は出向を行って労働者の雇用を維持することを助成するための制度として、雇用調整助成金制度があります。

雇用調整助成金については、新型コロナウィルス感染症に関して影響を受ける事業主を支援するために、概要、以下のように要件緩和や助成の拡充が図られています。

(1)生産指標要件

通常、「3か月10%以上低下」のところ、「1か月5%以上低下」へ緩和。

(2)雇用調整の対象者

通常、「雇用保険被保険者」が対象のところ、「「雇用保険被保険者でない労働者」の休業も助成金の対象となるよう拡充。

(3)計画届の時期

通常、「事前提出」のところ、「事後提出」も認めるよう緩和。

(4)残業相殺

通常、「残業相殺」(支給対象となる休業等から時間外労働等の時間を相殺して支給すること)が行われるところ、「残業相殺」を停止(したがって、一部の従業員について時間外労働が増えても、支給額に影響なくなりました。)。

(5)助成率

通常、休業手当等の「大企業:1/2、中小企業:2/3」のところ、「大企業:2/3、中小企業:4/5(解雇等を行わない場合は、大企業:3/4、中小企業:9/10)」に助成率を拡充。

上記は、緩和、拡大措置の一部です。詳細は以下をご確認ください。

・雇用調整助成金の特例の拡充について

https://www.mhlw.go.jp/content/000620879.pdf

・申請書類の簡素化について

https://www.mhlw.go.jp/content/000622910.pdf

なお、雇用調整助成金については、一定の要件を満たす場合には助成率を10/10とする旨の更なる拡充や、オンライン申請等についても検討されていますので、下記厚労省HPをご確認ください。当研究会のHPでも随時情報を更新していきます。

・厚生労働省雇用調整助成金関連ページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

 

プロフィール
堀田 陽平(ほった ようへい)・69期
2018年10月、日比谷タックス&ロー弁護士法人より経済産業省経済産業政策局産業人材政策室へ任期付き職員として就任。雇用・労働関係に関わる政策に関与。

最新会員論稿

アーカイブ

PAGE TOP